CPUのモデルについて

CPUにはたくさんのモデルがあります。基本的には世代とモデルで分けられます。例えば、Corei7 7700kはモデルナンバーで、世代はKaby Lake-S、もしくはintel 第7世代と呼ばれます。

世代が新しくなる場合は設計そのものが変更されることが多く、対応マザーボードも変更されるなど、大幅なパワーアップや新機能の搭載、省電力化が行われます。対して、モデルは同世代の場合、同じ設計のものを出来によって選別され別モデルとして販売されることが多くなっています。

CPUの製造

CPUはシリコン(ケイ素)の大きな単結晶(純粋な塊)を非常に薄く切り出した円盤(シリコンウェーハ)を作成し、その上に回路図を焼き付ける事で製造します。1枚の大きなウェーハにCPUの回路図を可能な限り沢山書き込み、1CPU分ずつ切りとって基盤と接続することで沢山のCPUを作っています。

CPU製造はナノ単位の微細な作業

現在販売されているCPUの回路は1本の配線の幅(プロセスルール)がナノという単位で出来ています。下のようなスペック表記を見たことはありませんか?これはCPUの性能を表すのに一般的に使用されるスペック表の1つです

CPU Ryzen 7 1700
プロセス 14nm
コア数 8
スレッド数 16
ベースクロック 3.0 Ghz
ブーストクロック 3.7 Ghz
L2 Cache 4.0 MB
L3 Cache 16 MB
TDP 65W

このプロセスという項目の14nmがCPU回路の1本の配線の幅を表しています。1nmは10億分の1メートル。1ミリメートルの100万分の1の長さです。14ナノメートルの製造プロセスというのが恐ろしく微細な作業だということはなんとなくイメージしていただけると思います。

このような微細な作業は専用工場のクリーンルームで行われるわけですが、それでも小さなホコリが混入したり、ウェハーの製造の際にごくわずかな歪みが発生することで回路図の焼き付けに一部失敗することもあります。

そのため、同じように製造したCPUでも全く同じ性能にはならないため、クオリティ別に選別する必要があります。

選別によって別モデルとして売り出される

Intelを例にとると、同世代でもコア数やIntel HDという内蔵GPUの種類によって製造ラインが異なります。

4コアのi7やi5と2コアのi3やPentium Gは最初から別のCPUとして製造されているわけです。逆に言えば、i7とi5といったコア数と内蔵GPUの回路が共通しているものは、同じ設計のCPUが選別されることで分けられています。

CPU選別の基準

同一世代でコア数やGPU回路の設計が共通しているCPUはモデルナンバーが異なっても、もとは同じものとして製造されています。それを一定の基準によって選別することでi7やi5といった別モデルとして売り出しているのです。

では、どのような基準でCPUが選別されているのかを見てみましょう

コアの耐性

一定の電圧を掛けた際、一定の周波数、基準の速度で演算が正確に行われるかどうかで選別します。

低い電圧で一定の周波数、基準の速度での正確な演算が行われるものは省電力CPU(i7-4770Sのようにモデルナンバーの最後にSが付きます)として選別され発売されることもあります。

また、電圧や周波数を高くした際に一定以上の性能の向上がみられるものはオーバークロックモデル(i7-7700Kのようにモデルナンバーの最後にKがつきます)として選別され発売されます。

キャッシュ

キャッシュに正確に保存されるか、また、保存された情報がコアに転送される際にエラーがないかなどで選別されます。

エラーが発生する場合は、異常のある部分の回路を動作させないように設定したり、回路そのものをカットしたりすることで、正常動作する部分だけを有効化し、使用するようにします。そのため、カット部分の少ない優秀な個体は上位モデル、カット部の多い個体は下位モデルとして売り出されることになります。

i7に比べてi5のキャッシュが少ないのはこの選別基準によって分けられているためです。

内蔵GPU

CPUと同じく電圧・周波数・処理速度で選別しますが、GPUは多数のコアで構成されているので正常なコアの数でも選別されています。これらの選別結果によって途中までは同じように製造されたものがi7やi5といったCPUのモデルに分けられ、販売されるわけです。

検査を経て選別されているので、オーバークロックの際にも基本的には下位モデルが上位モデルより上の性能になることはありません。

なんだかお肉の部位に似ていませんか?同じ牛からでもいい部位とそれほどでもない部位に分けられていくのに近い気がします。i7がサーロインならi5はロースといったところでしょうか。

内蔵GPUはまるでゲームがプレイできる性能のように宣伝されていますが、実際は低性能でほとんどの3Dゲームを快適には遊べません。GPUを活用する用途なら絶対にグラフィックボードが必要になります。特にゲーミングPCはそうですね。だからゲーミングPCが欲しい人はきちんとゲーミングPCなうでグラフィックボードをはじめとしたパーツの選び方を学んでください。

世代の更新時には当たりCPUが増える?

世代が更新され、新しい設計のCPUが出回りだすと古い世代の下位モデルCPUには当たりが増えると言われています。

新世代のCPUが販売されると、上位モデルを購入するようなユーザーは少し高価でも最新世代のCPUの方に飛びつく人が多いので、旧世代の上位モデルは売れなくなります。反対にコスパを重視する人は安くなった旧世代の下位モデルを購入するケースが増えます。

しかし工場ではいきなりすべての製造を新世代用にシフトすることはできないので、しばらくは旧世代のCPUも並行して製造しています。そうすると製造を継続している旧世代の上位モデルは多くが売れ残ってしまうことになってしまいます。

そこで、これまでは上位モデルとして選別していたものも上位モデル用機能や一部キャッシュなどを無効にして、下位モデルとして売り出すようになるのです。このため、本来なら上位モデルとして売り出されるはずのCPUが下位モデルとして手に入る可能性が出てくるのです。

もちろん運しだいなところがありますし、機能やキャッシュ容量自体は制限されているので上位モデルと同等ということはありませんが、知っておくと面白い買い物ができるかもしれません。